カムバックって、アイドルが頑張ってオタクも頑張るっていう、共同作業みたいな感じですよね。
お互いに「たくさんの愛を頂いて感謝する」や「愛をプレゼントする」など、日本の芸能界ではなかなかないような表現も良く目にします。
オタクが与える愛っていうのは、CDを買ったり、YouTubeを観たり、投票したり…ということになるのでしょうか。
シビアに順位や数字が出る環境で、当事者がピリピリするのは仕方ないと思いますし、そのやりとりや声掛けがSNSでなされるのは、ある意味カムバの風物詩なのかなとも思います。
この回では、そのやりとりを見ている中で、お伝えしたくなった人間の本能的な心理を2つご紹介します。
ITZYとMIDZYが関係しているような、していないような…興味がある方は読み進めてください。
心理的リアクタンス・ホメオスタシス
心理的リアクタンス
早速ですが、皆さま、心理的リアクタンスという言葉はご存じでしょうか…?
心理的リアクタンス=「人から言われるとやりたくなくなる」
という心理です。誰でも経験があることではないかと思います。
人間は誰かに強制されたり命じられたりすると、自由を阻害されてるいと感じて、反発したくなります。これは、自由にできない=自分の欲求が通らない=生命の危機だと判断するからです。
生意気とか反抗期とか、そういう観点とは別にして、人間の本能だと思ってもらって構わないです。
この心理的リアクタンスの根深いところは、言われて促されていることが正論だったり、自分の利益になることであっても、それと反対の行動をとってしまいたくなることです。
それほどまでに人間の自由に対するニーズは高く、言い方を変えれば、誰かに何かをさせるということはとても難しいことです。
ホメオスタシス
もうひとつは、ホメオスタシスです。
ホメオスタシス(恒常性)=外界の環境が変化しても、内部環境を一定に保とうとする働き
例えば、夜中にめちゃくちゃテンションがあがって熱烈なラブレターを書いたのに、朝起きたらその内容に自分でドン引きするとか。勉強頑張るぞ!と思って予定立てたのに、時間が経てばモチベーションがどこかいったとか。しんどくて悲しくて泣いていたのに、寝て起きたらすっかり忘れてるとか。
これは全部ホメオスタシスのおかげです。
外界からの影響で、血圧や体温が上がったり下がったりすることは、人体にとっては脅威なんです。
モチベーションが高いのは一見良いことですが、それが継続することは生命にとっては危機なんですね。
これから言えることは、人間が急激な変化を遂げることはかなり難しいよ、ということです。
人間を変化させるのは難しい
この2つの本能を挙げて何が言いたいのかというと、声かけして誰かに何かを継続してやってもらうっていうことは、めちゃくちゃ難しいことだよ、ということです。
それは、言ってる相手が嫌いとか、愛や努力が足りないとかいうことではなくて、もうそれは人間だからってことに尽きます。人間だからしゃーないっていう。
だから諦めてください、っていうのはまた違うと思うんで、これから心理的リアクタンスとホメオスタシスへの対策と、目的を達成するために必要な有効な方法?を書いていきます。
今回長いですね…気になる方だけどうぞ。
二つの本能への対策
心理的リアクタンスへの対策
心理的リアクタンスに関しては、同じ言葉でも感じる人と感じない人がいます。それは立場だったり、知識量によって異なる気がしています。
まず、心理的リアクタンスを感じているかも…と思ったら、一旦その場面から離れてみてください。
自分の守るための防衛本能なので、そこは自分を信じましょう。
そして、冷静になって、言われていることは妥当なのか情報を集めて検討してみてください。
最後に、自分がやりたいこと、その目的と目標を確認して、やるべきことを決定してみてください。
そうすれば間違うことは少ないはずです。
心理的リアクタンスの怖いところは、本能のままに反発して、自分の利益まで損なう恐れがあること。本能と目的は分けて考えることがオススメです。
例えば、親から勉強しなさいと言われて、うるせぇ!となってやる気がなくなり、もう勉強しない!と言って勉強しないことは、自分の利益を損なっていませんか?
これに関しては、幼いため勉強することが社会に出てどのように役に立つのかが分かっていないので、まず知識不足。そして、親の立場に考えが及ばない、想像力不足が心理的リアクタンスを発生させていると考えます。親との関係性や親の働きかけも影響してきますが、ここでは省きます。
心理的リアクタンスを感じたら、一歩離れて、情報と相手の立場を確認し、やるべきことを決めて自分の有利に進めてください。
ホメオスタシスへの対策
次にホメオスタシスですが、これの影響を受けないためには急激な変化ではなく、少しずつやることです。
一気に変化しようとするから、脳がびっくりしてそれを抑えるのです。
モチベーションやテンションの高さはいずれなくなると考えた上で、なくなっても負担にならない程度に進めていく。
例えばKPOP初心者の方が、いきなりYouTubeでプレイリストを作りスミンを開始、そして各音楽番組に投票するため、音楽番組を勉強し、アプリを調べて、ポイント集めて投票。チャートを理解して、反映される店で初動に反映されるように音盤を購入する。そういうのを一気にこなすとしたら、どうでしょうか?
ホメオスタシスが出勤しそうな状況ではありませんか?
今日はYouTubeを3回再生してみる。まずはこのアプリでポイントを集めて投票までしてみる。まずひとつずつ、少しずつやってみる。初心者じゃなくても、抵抗を感じたら…です。
ストレスを抱えれば防衛反応ですぐに反発してしまう。
人間というのは思ったより繊細な生物のようです。
目的達成への有効な声かけ
シンプル
そんな繊細な人間にどうやって声かけすれば良いの?っていう問いが生まれると思います。
まずは、シンプルを心がける…です。とにかく人間ってのは複雑なのが苦手です。
なぜなら脳はエネルギー節約のために省エネモードを好むから。これもホメオスタシスです。
初めてのことで、色々組み合わさっている図式などを見せられたら読む気なくなりませんか?
めんどくさいって感じる時は、ホメオスタシスが出勤しています。理解しようとするストレスを無意識に回避させようとしているんです。
売り文句に「これだけやればいい!」「これだけで痩せる!」とかいうのをよく見かけませんか?
あれは単純に、シンプルだと脳が喜ぶからです。そこに本能的に引き寄せられるため、このワードだけで売り上げが伸びるのです。
というわけで、声かけは単純に。
呼びかけはやることを箇条書きにして、それを毎回同じことを書いても良いです。
分かりやすさはそれだけで価値があります。
分ける
加えて、声かけ、叱咤激励、自分の感想などは分けて書くことです。これがごちゃ混ぜになると、それだけで複雑化して脳の処理量が爆上がりします。これが1文章に入ってしまうと、例えば…
「ぜひスミンしてください。目標はあと〇〇回です。しないと勝てないし、私たちなら出来ます。勝てないなんて有り得ないです。」
これには、声かけと叱咤激励と、感想が混じっていることが分かりますか?
人間は文章全体をイメージとして捉えます。肯定的に捉えれば良いですが、もし「有り得ない」という言葉に引っかかって違和感を覚えた場合、スミンにまで違和感を持ってしまうこともあります。
人間の脳は、器用にイメージを分ける作りにはなっていないようです。
なので、お知らせや感想などは分けて書くのがベター。その方が、目的達成を最大化できます。
心理学的な小技
モチベーションのない人に何かをさせるというなら、参考になるのはマーケティングで使用される心理ではないでしょうか?
何かを買わせたい時、どうやって欲しいと思わせるのか。
その時にいくつか人間の心理を応用したものが使われていますので、紹介します。
- 返報性…何かをして貰えばお返しをしたくなる心理。
- 権威性…地位がある人間の言うことを聞く心理。
- 社会的証明…ある選択肢を多数が選択している場合、それを選択する。自分の経験より他者の経験を優先する心理。
など。人間がこうしたくなる…というのをつかった小技で、心を掴む方法があります。
まず、楽しむ!
私としては、まず、声かけする側が楽しむことが必要かなと思いますよ。
楽しくなさそうだったり、喧嘩してたり…そういう殺伐としたところに入りたいですか…?
何だか楽しそうにやってる、賑わってる、そういうところに人間は引き寄せられていくものだと思います。まず楽しむ、その上での提案や声掛けになればいい具合に拡散するのかなぁと。
声かけの方法を示していきましたが、なんらかの論文(忘れました)で、4回お願いして無理だったら、もう無理っていうのを見た記憶があります。
なので、どんなに工夫しても無理な人には無理なこともあります…。
あと個人的に、推しのアイコンにしている際、きつい表現…はやめた方が良いかもです。
以前ユナのアイコンで、「〜いい加減わかれよ」的な発言を見てびっくりして、それからユナを見るたびにその発言を思い出します。
まとめ
・心理的リアクタンス…人から言われるとやりたくなくなる
→【対策】一旦離れて情報と目的を精査
・ホメオスタシス…外界の影響を受けても元に戻る
→【対策】少しずつ変化する
・声かけはシンプルに、わかりやすく、スモールステップで。
・お知らせと自分の感想は分ける。
一個人が色々発信できる時代だからこそ、気をつけたいですね。
ITZYのためだと思って発信していることが、本当にITZYのためになっているのか?
価値観はそれぞれなので、これがためになるはずと考えていることも異なるとも思います。それをお互い尊重というか、そういう考えもあるんだな、と思って放っておくのも多様性だと思いますね。
そして、合わないと思ったら、離れることも必要かと思います。すべてを理解し合えるというのは不可能だと思いますので。
それでも発信したい!わかり合いたい!というのもまた人間の本能ではあります。
人間に絶望して人間に救われるのが人間なのであります…本当に興味深いです。
長い文章になりましたが、読んでいただき、ありがとうございます!
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